令和5年9月
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相続人探索のための戸籍の入手方法
■相続人探索のための戸籍の入手方法
・相続が始まりますと誰が財産・債務を引き継ぐかとういう問題が発生します。
・誰が引き継ぐかとういう、誰がは法律で決まっており通常は相続人となっております。
・その相続人は戸籍に載っておりますので次のように探索します。
1.必要戸籍の取り方
1)被相続人の出生時入籍戸籍より、改製・分籍・転籍等をへて亡くなるまでの戸籍全てを、とぎれることなくご用意下さい。
(出生記事より死亡記事までが記載されている謄本)
2)相続人となる者が相続開始時から現在まで、生存及び廃除されていないことを証明のため現在の相続人の戸籍が必要です
(欠格者は戸籍上記載されない)
3)改製原戸籍の入手(最近では昭和30年代頃及び戸籍のコンピュータ化に伴う)戸籍の改製があった場合は、従前の戸籍に記載されている者だけが新戸籍に移籍。
ゆえに養子縁組・婚姻・死亡などにより除籍された者は移記されません。
よって相続人を確かめるために戸籍を調べるときには、改正前の戸籍(改製原戸籍)と改正後の戸籍が必要となります。
注1)戸籍事項欄には、その戸籍がいつ編成(作成)されたかの時期が記載されているため、被相続人の出生日付と比較することにより、その戸籍が出生時入籍戸籍かどうか分かる。
注2)現行戸籍の養親側の養子縁組事項は、当初に1回だけ記載されるが、その後に養親側の戸籍に変動(新戸籍の編成または他の戸籍に入る等)があった場合は、その後の戸籍には移記されません。(認知についても同様)
2.具体例
(注)説明上、氏名等は全て仮名です(以下同じ)
ケース1.配偶者と子が相続人の場合
(被相続人)
大山太郎 ┌───長男 大山一郎(相続人)
│ │
│──-─---│
│ │
妻 芳子 └───長女 小川典子(相続人)
(相続人)
■戸籍は現在より過去へ遡り入手
発生事由 | (太郎出生により入籍) | (婚姻により新戸籍作成) | (Bより戸籍住所変更後) |
戸籍名称 | 昭和30年代頃改正されていれば「改製原戸籍」 | 分籍後転籍されこの戸籍には誰もいないので「除籍謄本」 | 現在戸籍 |
戸籍筆頭 | C(筆頭者:富造) | B(筆頭者:太郎) | A(筆頭者:太郎) |
在籍期間 | 出生から婚姻(分籍)まで | 婚姻から転籍まで | 転籍から死亡まで |
在籍者 | 大山富造 │ │─大山太郎 │ 松江 |
大山太郎 大山安代 │ │ │─ (長男)大山一郎 │ │─ (長女)小川典子 │ │ 芳子 小川俊之 |
大山太郎 │ │ 芳子 |
① 太郎のA・B・Cの三種類の戸籍が必要
② 一郎・典子の相続開始日より現在までの戸籍が必要
(現在の戸籍簿で相続権の有無を確認できればよい)
* 除籍謄本(除籍簿)とは、その戸籍に記載されている者の全員が婚姻、死亡等により除かれてしまったときは、その戸籍は除籍簿として別綴りになっています。
(除籍簿の市役所等での保存期間は、除籍された年度の翌年より80年)
ケース2.直系尊属と配偶者が相続人である場合 (出生時入籍戸籍に注意)
(祖父)
山本貞夫
│
│─────── (父) 山本純次 (相続人)
│ │
タケ │--------─ 長男 山本 明(被相続人)
│ │ (昭和22年生まれ)
(母) 春子 │
(相続人) │妻 玲子 (相続人)
発生事由 | 出生時最初に貞夫(前戸主)の戸籍に記載された | 昭和30年代戸籍の編成により純次筆頭の戸籍作成 | 婚姻により新戸籍作成 |
戸籍名称 | 改製原戸籍 | 婚姻前戸籍 | 現戸籍 |
戸籍筆頭 | C(筆頭者:貞夫) | B(筆頭者:純次) | A(筆頭者:明) |
在籍期間 | 出生から13才まで | 13才から婚姻(分籍)まで | 分籍から死亡まで |
在籍者 | 山本純次 │ │ │ 春子 |
山本純次 │ │─(長男)山本明 │ 春子 |
山本明 │ │ │ 玲子 |
(注)B戸籍は一見すると出生時入籍戸籍に見えるが、B戸籍は昭和30年代改製編成作成されたもの、ゆえに、被相続人の生年月日と突合するとさらに古いC戸籍があるのが判明する。
① 明のA・B・Cの三種類の戸籍が必要
② 純次・春子の相続開始日より現在までの戸籍が必要(但し、①のB・Cで代用できる場合あり)相続人としての証明のため